ホーム > 工事契約書 > 工務店が用意した契約書で契約していいの?
建て主が工務店と建築工事請負契約を締結する場合、ほぼ例外なく工務店が用意した建築工事請負契約書と約款が使われます。
しかし、工務店が用意した契約書と約款は工務店が自社にとって都合のよい内容に作成したもので、中には著しく多額の損害賠償額を予定する条項等が含まれており、建て主にとって極めて不利な内容となっているケースが少なくありません。
たとえば、工務店が使用している約款は建設業協会や建築士会等、いわゆる民間七団体が策定した民間連合協定工事請負契約約款をモデルに作成しているケースが多く、その内容は建て主よりも工務店を保護した民法の請負に関する規定よりも、さらに工務店を手厚く保護しており、住宅トラブル、欠陥住宅における被害の予防、そして建て主救済にとっては極めて不十分な内容になっています。
それは明治時代に制定された現行民法の請負に関する規定が、当時、請負人の具体像を社会的弱者であった棟梁や零細な個人の大工を想定し、彼らの実質的には賃金に相当する請負代金を可能な限り保護しようという思想に基づいて作られたものだからです。
本来、工事を依頼し、代金を支払う側である建て主が契約書と約款を用意すべきなのですが、設計、施工、監理に関する知識や情報、経験のない建て主が用意することは難しく、工務店が一方的に用意した契約書と約款が使われているわけです。
工務店が用意する約款はA4用紙にして4~5枚程度のものが多く、数百万円から数千万円にもなる契約を結ぶにはあまりにもお粗末な内容であり、約款に盛り込まれていないことがトラブルの原因のほとんどであることを考えると、簡単に判を押せるものではありません。
したがって、工務店が用意した契約書と約款を使用する場合には、建て主にとって不利益をもたらす条項の削除や修正、また特記事項等、追加を行ない、建て主と工務店が対等の関係になるようにする必要があります。